●理事長挨拶

長い冬が過ぎ去り、桜の花が芽生える候となりました。辛い季節を耐えたからこそ、春の喜びもひときわ感じられるのでしょう。

社会福祉法人つむぎは、どんな障がいを抱えていても、一人ひとりの個性を尊重し、その人らしい生活を安心して送れるように手助けしたいという思いで、2004年に設立しました。今年で11年を迎えますが、前身の「おだまき」が1991年に小平市の民家を借りて始めた障がい者の通所事業から通算すると、もう24年になります。

その歩みは決して平たんなものではありませんでした。
2004
年に「小川元気村」に移転に移転、小規模通所授産施設に転換、さらに障害者自立

支援法に基づく就労支援事業を担う「おだまき工房」を学園東町の商店街の一角に設立、2011年には西武新宿線小平駅近くにグループホーム「みそのハウス」を設立、昨年は法人設立10年を迎え、スタッフや利用者、理事会も含め「さまざまな個性を持ち、年齢も性別も異なる人たちが集う場で、互いのいいところを認め、協力していこう」という「つむぎ」の原点を確認しあう目標を掲げ、再出発したところです。

 ただ、就労支援事業は利用者がなかなか集まらず、昨年は経営上苦しい局面を迎えました。その後改善はしてきましたが、利用者を安定的にどう確保していくのかは大きな課題です。「みそのハウス」は従事するスタッフの確保がままならず、特定のスタッフにしわ寄せを余儀なくされるという事態も起きました。その後改善はされましたが、安定的に働けるスタッフの確保は今後の課題として残されています。

 1990年代末の社会福祉基礎構造改革により、措置制度から契約に代わり、施設から在宅への流れが強まると同時に、民間参入も加速し、社会福祉法人のあり方も地域貢献という観点から、さらに改革が迫られています。

 私たち社会福祉法人つむぎも、従来のあり方に安住することなく、法人の名前の通り、地域の人の輪をつむいでいきたいという思いをさらに具体化させるために、さまざまな改革に取り組みつつあるところです。スタッフ、利用者、家族が一致団結し、地域とつながり、地域に開かれた運営をさらに発展させていきたい。理事長として私もその先頭に立つ覚悟です。皆様のご理解とご協力を改めてお願いします。